四万十川流域の文化的景観 「 上流域の農山村と流通・往来 」

 春爛漫の桜の下をゆっくりと穏やかに流れる清流四万十川人と水との関わりはこの地域では
 生活そのもです。
 先人の血と汗の結晶を感じる見事な棚田の石垣、山すそを利用して一つ一つ積み上げた
 技術にただ敬服するばかりです。この頑丈な石積みの技は百年後も貴重な耕作地を守り
 続けていることでしょう。(大野見萩中地区)
 5月から6月にかけて田植えがはじまる。四万十川の清流で育つ大野見米は美味い!
 数えきれないの大小の支流も、みな大河四万十川へと合流するのです
 支流の島の川渓谷にある「奈路堰」です。この堰から取水する田んぼは川口地区、奈路地区、
 野々地区など大野見全体の60%以上の田んぼに注ぎこまれています。
 また、この島の川渓谷の水はたいへんきれいです。

 島の川地区の上流域には国有林が広がり昭和50年代頃まで頻繁に良質の木材が搬出されました。
 昔は荷馬車やトロッコなどで木材を運んだため、この地区の林道は約12Kmにわたり急坂のない
 なだらかな道が特徴です。
 


 下ル川地区にある石積の頭首工(堰)です。セメントの堰に石を埋め込んだ頑丈そうな堰です。
 魚の遡上にも優しい構造ですね。

 夏の四万十川は絶好の遊び場です。
 県内外からキャンプ客がたくさん遊びに来ます。
  四万十川、夏の風物詩「鮎の火振り漁」です。夜、松明の火を振り回しながら驚いた鮎を
  網に追い込む昔ながらの漁法です



 実りの秋を迎え人々は稲刈りに大忙しの日が続きます。
 清流四万十川の水の恩恵を受けながら小金色に育った稲
。 
 今でもところどころで見かける「ゆなき干し」です。

 秋が深まり山々や川沿いの紅葉が終わりを告げる頃・・・
 
 里山に五穀豊穣に感謝する神社の祭りの太鼓の音が鳴り響く。
 奈路天満宮大祭です。昔は賑やかだったこの祭りも過疎化とともに、人出も少なく寂しくなりましたが
 大野見小学校の生徒さんが参加してくれて伝承されています。 
 冬の四万十川です。



沈下橋とは? 四万十川は、ときに大雨や台風などで大洪水の暴れ川に変貌します。度重なる橋の流失や崩壊は
水との戦いでもありました。そこで考えだされたのが洪水時には橋自らの姿を水中に沈めて流木などの障害物が
橋の上を流れるようにした欄干が無い橋です。



久万秋沈下橋です。この周辺で毎年4月に開催される「アメゴ釣りな祭」には県内外から1000人余りの
釣りファンが終結してアメゴ釣りを楽しみます。



長野沈下橋です。久万秋沈下橋と共に四万十川(本流)に架かる22の沈下橋の中ではめずらしく
路線バスが運行しています。



高樋の沈下橋です。四万十川(本流)に架かる一番目の沈下橋として、また周りの風景に溶け込んだ
田舎の風情を感じる沈下橋として人気があります。


奈路天満宮の近くに樹齢数百年のモミジの古木がある。
四万十川を覗き込むように威風堂々とした風格を感じるモミジです。
この古木に見る四季の移り変わりです。